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意見より視点が大事 2

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いきなりですが、「問題解決に大事なこと」って、なんでしょう?

1.問題を客観的に見る

2.問題を正しく見る

3.問題の本質を見る

「客観的」「正確さ」「本質」。確かに、これらのどれもが大事なことです。が、これらのどれもが、問題解決を遠のかせる、あるいは、もっと問題を混乱させることになってしまうとしたら?

「客観的に見ろ」とアドバイスされたことがあるかもしれません。これは「一切の恣意性を無くして見る」と言い換えられそうですね。でも、「客観的」はどういうことでしょう?俯瞰して、空中から問題を眺めればよいのでしょうか?自分の立場を消滅させて、フヨフヨ浮いている状態で問題を観察することでしょうか?

「正しく見よう!」という激励。こちらも素晴らしく使い勝手のいいフレーズですが、「正しく」とはどのような見方でしょうか?錯覚をなくすことでしょうか?それともやはり、私利を離れて見ることでしょうか?それは自分の目を離れて見ることでしょうか?あるいは、無作為に百人を集め、彼らが見ているものをまとめて、それらの重なるところを調べることでしょうか?

そして三番目の「問題の本質を見る」とは?問題の因果をどんどん遡って、真の原因、根本的な原因を突き止めることでしょうか?でもそれって、どこまで遡行すればいいのでしょう?そして、オリジナルの原因など、本当に特定できるのでしょうか?

哲学者は「問い」に溢れた世界に親しみを感じます。「問い」や「なぞ」を排除したり、見て見ぬ振りをしたりすることがどうしてもできない人間たちです。「問い」がなくなった、誰もが「正解」を持っている世界には馴染みません。