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「不安に抗うな」アランの思想紹介 4

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「老いた人間とは、老いを苦しんでいる若者ではない。死んだ人間とは、死んでいる生者ではない」

アランには、こんなスマートかつ鋭い金言もあります。

老いることが不安ですか?死ぬことが不安ですか?

「不安の原因はわからない」。一般的に、このメッセージは批判的に使われます。

「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」

不安はしばしば靄に喩えられます。「もやもや」の靄ですね。

でも、「不安を感じるたびに正体を暴くまでは、一歩も動けない」では大変です。「幽霊かも?」と思うたびに立ち止まって…枯れ尾花かどうか教えてくれる誰かを待つ…。

そんな待機主義になっては元も子もありません。

不安はもやもやのままにしておく。これが極意。正体を暴かない。これが極意。

「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」

怖い怖いと思っているとありもしないことが不安になる。でもこの歌には、「だからどうする?」がないですよね。「だから怖がるな」では解決になりません。スタート地点に戻るだけ。

不安になるのは、もうしょうがない。

アランならこんな時、なんとアドバイスするでしょうか。単純です。

そっちを見るな。歩くことに集中しましょう

こんな助言になるでしょうか。

不安なんて誰もが感じる。だったら不安とガブリ四つにならないで、別のことに集中すればいいんです。

一歩一歩、歩くことに集中しましょう。丁寧に丁寧に。しばらくしてふと振り返ってみれば、幽霊などいなかったことに気づくでしょう。

「後から」気づけばいいんです。

さて、次回はラスト。

東京で哲学教室や作文教室を開いています。
また、思考塾というAI時代を生き抜く子育ての場も設けています。

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